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・岡ノ谷一夫 東京大学
認知生物学者。米国メリーランド大学大学院で博士号取得。理化学研究所脳科学総合研究センターを経て、2010年より東京大学総合文化研究科教授。
鳥の歌、ヒトの言語、げっ歯類の鳴き声など動物のコミュニケーション行動と情動・感情との関係とその仕組みを、生物学的・心理学的に研究。 また作曲家の古川聖氏(東京芸大)との共同研究で、脳波に想起された音のイメージをデータとして生成する音楽および映像美術という芸術表現にも取り組んでいる。 この講演では「芸術の起源と進化」と題して、小鳥のさえずりを例にとって複雑な信号がどう進化したのかを検討し、その成果を人間の芸術の進化と比較する。
・福のり子 京都造形芸術大学
美術教育学。米国コロンビア大学で美術教育学を修めた後、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で研修。米国および日本で様々の美術・写真作品展を手がける。2004年より京都造形芸大教授。
本講演のタイトルは「アートとは、作品とそれをみる人の間に起こる不思議な現象、深遠ですばらしいコミュニケーションです!」この考えのもと、対話を介した鑑賞プログラム、ACOP(Art Communication Project)を開始。作品を介して他者とコミュニケーションすることは、自己理解のみならず、人が人との間で(つまり「人間」として)生きて行くために重要な、他者の存在、違いや多様性を認めていくきっかけともなる。
・布施英利 東京藝術大学
美術解剖学・批評家。東京藝術大学美術学部芸術学科・同大学院修了後、東大医学部解剖学教室(養老孟司教授)で人体解剖学研究に従事。2003年より東京藝術大学助教授、2007年より准教授。
2008年に「体の中の美術館」を著し、そこでは「芸術は、脳の産物だが、同時に体の産物でもある。目から入って脳へ行き、さらにその奥深く、先の先にある体に到達しなければいけない。そんな芸術論を書きたいと思った。」という。本講演のタイトルは「美術と解剖学 ―― レオナルド・ダ・ヴィンチから現代へ」。レオナルド・ダ・ヴィンチや、ルネサンス時代の科学と芸術の関係を探ることは、解剖学の原点、あるいは絵画の基本というものを見直すこととなり、解剖学や絵画の現在と未来を考える機会にもなるであろう。