基礎医学・歯学の基幹である解剖学と生理学は、身体の構造と働きを扱うサイエンスで、その歴史も古く、また、現代的意義も大変大きい学問です。どちらの学問領域も今日においては、分子からシステムまでをカバーしており、お互いに補完的な関係にあります。
2011年3月に、長い歴史を持つ解剖学会と生理学会が初めて合同大会を開催する予定でしたが、東日本を襲った大震災により、当日の大会実施を見送りました。
この度、2015年に、解剖・生理合同大会を開催すべく、鋭意準備を進めています。
もともと、私たちの身体にとっては解剖学も生理学も明確な線引きがあるわけでなく、両者の学問体系は便宜的に分けられたものであり、身体をそれぞれの異なる視点から究明しようとしてきました。
その意味で、両学会の合同大会の開催は必然性を持っています。
学会は、研究、教育に携わる人々によって成り立っていますので、その構成員の文化的背景がありますが、今回、これらのことを考慮しつつ、新たな融合サイエンスを違った形でとらえ直し、両学会のこれからの方向性を考えたいと思います。
合同大会開催は、創生的な企画、プログラムをもとに、21世紀の科学を模索し、「からだ」というまだまだ未知の世界へ 、フロンティア精神を発揮し、知り、深め、極める第一歩です。