本セッションは、著名な研究者を招待し、ご講演いただく企画です。今回、御多忙のなか、下記の外国人2人と日本人3人にご講演いただくことになりました。
Charles S. Zuker 博士 (米国・コロンビア大学)
これまで未開拓だった味覚情報処理のメカニズム、特に、味蕾の味細胞にある化学受容体を明らかにし、5種類の味物質の刺激がどのように味覚信号を発生させるのかを明らかにされました。最近は、光イメージングなどの手法も用いて、味覚情報処理の中枢神経回路機構の研究も行われています。
坂野 仁 博士(東京大学・福井大学)
Neural Map Formation in the Mouse Olfactory System
分子免疫学の研究をされた後、神経系の研究に移り、単一の嗅上皮細胞が単一の嗅覚受容体のみを選択的に発現する遺伝子調節機構、嗅上皮細胞から中枢神経への軸索投射の分子機構や嗅覚と関連する行動や記憶の神経機構についても重要な発見をされています。
Wolfgang Baumeister 博士
(ドイツ・マックス-プランク研究所)
Electron Tomography or the Challenge of Doing Structural Biology in situ
分子構造生物学の世界的権威で、cryo electron tomography等の最先端可視化技術を用い、細胞・組織内でのマクロタンパク質の構造やタンパク間相互作用の解析で、画期的な研究を展開されています。
藤吉 好則 博士(名古屋大学)
Structural physiology studied by cryo-electron microscopy
極低温電子顕微鏡を自ら開発し、これまで構造解析が困難であったアセチルコリン受容体チャネルやアクアポリンなどの膜機能タンパクの分子構造を高分解能で明らかにし、構造生物学から生理科学への新たな研究の道筋を示されてきました。
大隅 良典 博士(東京工業大学)
Molecular Dissection of Autophagosome Formation in Yeast
細胞が自己の蛋白質を分解・自食する機構「オートファジー」に関わる遺伝子を世界で最初に同定され、その後も分子メカニズムや生理学的な機能について成果を挙げられ、2006年には日本学士院賞を受賞されています。
Zuker博士と坂野博士、Baumeister博士と藤吉博士の講演は、それぞれペアを組む「プレナリーセッション」の形式で行います。これにより深く活発なセッションを目指しています。
廣川 信隆 博士(東京大学)
生命の要、モーター分子群、KIFs と細胞内輸送:記憶・学習及び発生の制御から疾患まで
柳田 敏雄 博士(大阪大学)
※ 動画の視聴にはIDとパスワードが必要です。
萩原生長 記念レクチャー
河野 憲二 博士(京都大学)
大脳MT/MST野による眼球運動の制御
The role of cortical areas MT/MST in short-latency ocular tracking.
田原淳 記念レクチャー
栗原 敏 博士(東京慈恵会医科大学)
横紋筋における細胞内Ca2+:測定と生理学的意義
Intracellular Ca2+ in striated muscle: measurement and physiological significance