大会2日目、3日目に開催予定の教育プログラムを、以下の演題により準備しています。
日時、会場が決まり次第、このページにてお知らせいたします。
日本生理学会 教育委員会 委員長:鯉淵典之(群馬大学)
日本解剖学会 教育・若手育成委員会 委員長:八木沼洋行(福島県立医大)
軸索の神経生物学:膜興奮と伝播
神谷温之(北海道大学・院医・神経生物学)
進化と個体発生から見通す大脳皮質構築
佐藤真(大阪大学・院医/連合小児・神経機能形態学)
基礎医学教育:学生の“深い学び”を導くために
小林直人(愛媛大学医学部附属総合医学教育センタ―)
医学の歴史:解剖学と生理学の由来について
坂井建雄(順天堂大学・医・解剖)
心臓電気生理(心電図)、不整脈
古川哲史(東京医科歯科大学 難治疾患研究所 生体情報薬理学)
リンパ免疫系:生体防御のための基本構造を理解する
松野健二郎(獨協医科大学 解剖学マクロ)
研究倫理と利益相反
蔵田潔(弘前大学・院医・統合機能生理学)
細胞膜の基本的性質
藤本豊士(名古屋大学・院医・分子細胞学)
ヒト成長の生理
鯉淵典之(群馬大学・院医・応用生理学)
生理学エデュケーター制度について
中島昭(藤田保健衛生大学 医学部 生理化学)
呼吸の化学調節
鈴木敦子(健康科学大学・生理)
下肢解剖の着眼点
村上徹(群馬大学・院医・機能形態学)
視覚系における特徴抽出
井之川 仁(京都府立医科大学 生理学教室 統合生理学部門)
摂食嚥下を理解するための機能解剖
阿部伸一(東京歯科大学 解剖学講座)
講評
松尾理(近畿大学医学部)
教育プログラムは「教育講演」と「モデル講義」から構成され、日本生理学会で今期から新たに開始する、認定「生理学エデュケーター」制度と連携を取るものです。教育プログラムの受講(1講演受講で1ポイント、15ポイント以上の獲得が必要)が生理学エデュケーター資格認定の出願資格の1つとなります。
教育講演は、様々な分野から演者を選び、最近の基礎から臨床応用までの広い知見を日本語で分かりやすく体系的に整理しご講演いただいています。主な目的は、学会会員の諸先生方はそれぞれの専門分野のことは詳しくご存知ですが、他の分野については必ずしも深い知識を持ち合わせているとは限りません。しかし教育現場では、専門分野に関わらず学生に対し講義をしなければなりません。そこで教育講演を通して、幅広い知識を Up to Date にしていただくのが狙いです。
一方、モデル講義は、会員の先生方の他に実際に学生さん(約20名程度)に講演会場に入ってもらい、演者の先生には学生さんに対し模擬講義を行っていただきます。講義手法の伝授や特定の分野の教授法を聴取者の先生方に広めることにあります。(最新の研究成果の解説は主眼ではありません。)
一般社団法人日本生理学会(生理学会)は、生理学教育者として広い知識と優れた教育能力を備えた人材を育成して社会に送り出し、多くの学生がより高い水準の生理学教育を受けられるように教育界に対して貢献いたします。学生教育において指導的立場にある教員だけでなく、研究を主体として活動している若手研究者が多く参加している生理学会は、この目的達成のために優れた生理学教育者を育成・支援するためのエデュケーター認定制度を制定することになりました。
本制度の根幹をなすのが生理学会大会で開催される「教育講演」と「モデル講義」から構成される「教育プログラム」です。このプログラムを受講された会員を対象に「生理学エデュケーター」の認定を行っています。2014年7月の第1回の認定申請には非常に多くの皆様から出願いただき、251名が「生理学エデュケーター」として認定されました。
会員の教育に関する資質や努力を学会として認定するだけではなく、将来教育職を希望する会 員のために、正しい努力の方向性を示すことがこの制度の目的です。
日本生理学会教育委員会委員長 鯉淵典之
日本生理学会エデュケーター認定制度委員会委員長 中島昭